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対応要領

暴力団の不当要求手口事例と対応

カスタマーハラスメント対策

厚生労働省策定の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」から

カスタマーハラスメントとは
 顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるものを言います。

カスタマーハラスメントの判断基準
  • 顧客等の要求内容に妥当性はあるか
  • 要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か
 各社であらかじめカスタマーハラスメントの判断基準を明確にした上で、企業の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要です。

カスタマーハラスメント対策の必要性
 カスタマーハラスメントによる従業員、企業、他の顧客等への影響として、以下のようなものが考えられます。
  • 従業員への影響
    ア 業務のパフォーマンス(意欲)の低下
    イ 健康不良(頭痛、睡眠不足、精神疾患、耳嗚り等)
    ウ 現場対応への恐怖、苦痛による従業員の配置転換、休職、退職
  • 企業への影響
    ア クレームヘの現場対応や電話対応、謝罪訪問、更には対応方法の検討や弁護士等への相談
      など、時間の浪費と業務への影響

    イ 従業員の離職にともなう新規採用や教育コスト等人員確保
    ウ 商品やサービスの値下げや慰謝料要求への対応、更には代替品の提供等金銭的損失
    工 企業や店舗に対する他の顧客等のブランドイメージの低下
  • 他の顧客等への影響
    ア 来店する他の顧客の利用環境や雰囲気の悪化
    イ 業務の遅滞によって他の顧客等がサービスを受けられない
    ウ 店舗や企業のブランドイメージの低下につながる

カスタマーハラスメント対策
1事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
  • 組織のトップが、カスタマーハラスメント対策への取組の基本方針・基本姿勢を明確にする。
  • カスタマーハラスメントから、組織として従業員を守るという基本方針・基本姿勢、従業員の対応の在り方を従業員に周知・啓発し、教育する。
2従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
  • カスタマーハラスメントを受けた従業員が相談できるよう相談対応者を決めておく、または相談窓口を設置し、従業員に広く周知する。
  • 相談対応者が相談の内容や状況に応じ適切に対応できるようにする。
3対応方法、手順の策定
  • カスタマーハラスメント行為への対応体制、方法等をあらかじめ決めておく。
  • 各社の業務内容、業務形態、対応体制・方針等の状況にあわせて、あらかじめ対応方法例を準備しておく。
4社内対応ルールの従業員等への教育・研修
  • 顧客等からの迷惑行為、悪質なクレームの社内における具体的な対応について、従業員を教育する。
5事実関係の正確な確認と事案への対応
  • カスタマーハラスメントに該当するか否かを判断するため、顧客、従業員等からの情報を基に、その行為が事実であるかを確かな証拠・証言に基づいて確認する。
  • 確認した事実に基づき、商品に瑕疵がある、またはサービスに過失がある場合は謝罪し、商品の交換・返金に応じる。瑕疵や過失がない場合は要求等に応じない。
6従業員への配慮の措置
  • 被害を受けた従業員に対する配慮の措置を適正に行う(繰り返される不相当な行為には一人で対応せず、複数名で、あるいは組織的に対応する。メンタルヘルス不調ヘの対応等)。
7再発防止のための取組
  • 同様の問題が発生することを防ぐ(再発防止の措置)ため、定期的な取組の見直しや改善を行い、継続的に取組を行う。
8@〜Fまでの措置と併せて講ずべき措置
  • 相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、従業員に周知する。
  • 相談したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、従業員に周知する。

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